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女優・古川琴音さん「不器用なところも悪くない。スピード感も自分の個性だから」

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CLASSY.

「自分の嫌な部分があったら、そのまま受け入れなくていい。もがいていいと思うんです」と、自らに言い聞かすように話していた姿が印象的だった古川琴音さん。どんな役でも天才的に演じる姿しか目にしていなかったのでとても意外に感じました。人と比べて、うまくいかない自分に落ち込むのはもしかしたら私たちと同じかも。参考になる考え方を、共有してくれました。

仕事を始めてから、人と自分を比べるようになりました

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ずっと演劇に携わっていたもののそれを仕事にする考えはなく、大学卒業後は就職するつもりでいました。仕事として役者という選択肢が出てきたのは、大学3年生のとき。同じサークル出身の先輩の舞台に参加した際に、共演した方から「一度、お芝居をやってみたら?」と言っていただいたことがきっかけでした。

本格的に就活が始まる前にチャレンジしたいと思い、今の事務所に応募しました。仕事で悩むことは…たくさんありますね。役者を始めてからは、自分と人を比べるようになりました。きっとみなさん努力をされていると思うのですが、自分ができないことを軽々と成し遂げる人を見ると、自分は役者に向いていないんじゃないかと考えてしまったり…。人とのコミュニケーションにおいても、自分の不器用さを痛感します。

最近は、不器用なところも悪くないと思えるようになりましたが、作品づくりでは短期間でたくさんの人に会うので、「あのとき、気の利いたことが言えなかった」とか「こんなふうに接すればよかったな」と、もどかしく感じることも。気付いたときには、撮影も終わりを迎えようとしていて、そのスピード感も含めて自分の個性ではあるけれど、もう少し上手くなりたいと思う部分でもあります。

失敗かもしれないけど、失敗と捉えない

先日、偶然聞いていたラジオで印象的な言葉を耳にしました。「ありのままの自分を受け入れよう、とよく言われるけれど、結局は受け入れたものが〝ありのままの自分〞になる。そもそも〝ありのままの自分〞というものはないんじゃないか」と。自分の嫌な部分まで受け入れなきゃいけないと考えていた私は、この言葉を聞いて少し楽になりました。これまでは受け入れるということを諦めの方向に捉えていたのですが、できなくても下手でも、自分がやりたいなら納得するまで続けていいし、受け入れるタイミングも自分で決めていい。

そんなふうに考え方が変わってきました。失敗も自分の中では「失敗ではない」と受け止めるようにしています。上手くいかなかったと気付けたこと自体が財産のひとつ。ただ、落ち込むときもあります。そんなときは、映画や本など自分の好きなことに熱中したり、友達にストレートに話して励ましてもらったり。自分がポジティブでいられる方法を用意しています。

古川琴音さん
1996年生まれ。神奈川県出身。2018年、短編映画『春』で主演を務め、スクリーンデビュー。ベルリン国際映画祭で銀熊賞に輝いた映画『偶然と想像』(2021)の1編で主演を務める。主な出演作は、NHK連続テレビ小説『エール』(2020)、NHK特集ドラマ『アイドル』、NHK大河ドラマ『どうする家康』(2023)映画『みなに幸あれ』(2024)など。6月28日公開の映画『言えない秘密』では、ヒロインの内藤雪乃を演じる。待機作に、フジテレビ7月期月9ドラマ『海のはじまり』(7月1日放送開始)、映画『お母さんが一緒』(7月12日公開予定)、『シサㇺ』(9月13日公開予定)、『Cloud クラウド』(9月27日公開予定)がある。

【衣装】ジャケット¥71,500オールインワン¥89,100(ともにアキコ オガワ/ブランドニュース)人差し指のリング¥17,600(イー・エム/イー・エム アオヤマ)中指のリング¥11,000(G.R)ブレスレット¥17,600(YArKA/ともにロードス)シューズ¥60,500(カチム)

撮影/水野美隆 ヘアメーク/伏屋陽子(ESPER) スタイリング/番場直美 取材/坂本結香  編集/小林麻衣子 再構成/Bravoworks,Inc.


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