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私たちはサンクコストバイアスにとらわれている?仕事と恋愛のQ&A

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CLASSY.

「〇〇年も付き合っているし…」「これだけこの仕事にお金をかけたから…」と、取り返せるかわからない時間やお金をもったいないと思って前に進めていないことありませんか?実はそれ「サンクコストバイアス」にとらわれているかも?この記事でセルフチェックしてみて!

そもそもサンクコストバイアスって何?

「サンクコスト」とは日本語にすると「埋没コスト」といい、投資や事業にかけたまだ芽がでていない、お金や時間のことを言います。「サンクコストバイアス」とは、時間、努力、お金をかけたから捨てられない、早く見切りをつけた方がいいのに手放したくなくなる心理傾向のことを言います。これはキャリア、恋愛にも置き換え可能です。

専門家がアドバイス!「もったいない」が頭から離れないみんなのお悩みQ&A

〜恋愛編〜

【お悩み1】

3年ほど付き合い、結婚を真剣に考えていた彼。しかし、仕事にも行けない日があるほど彼は精神的に不安定な一面もあり、私が金銭的にも精神的にもケアをしていました。自分の精神もすり減ってしまうので、この関係性はずっと続けられないなと思いつつ「こんなにつらい思いをしたのに別れるなんてもったいない!」と感じてしまい別れられずにいます。(Oさん28歳)

A.お金は戻っても、すり減らした心は戻ってこないことを肝に銘じて!

時間や労力をかけたから大切なのか、それ以外の理由で大切なのかをしっかり区別できるといいですね。もし前者が強いのであればサンクコストバイアスに陥っている証拠。心がすり減る前に早めの決断をしましょう。

 

【お悩み2】

結婚を前提に付き合っていた彼のことを両親が認めてくれなかったのですが、それでも諦めずに両親と喧嘩をしながらも彼をフォロー。ようやく認めてもらい、結婚指輪と婚約指輪まで購入したのですが、両親のことで彼との関係性も悪化してしまいました。本当は別れた方がいいはずですが、両親がやっとのことで認めてくれたし、指輪も買ってしまったし、どうすれば…。(Kさん28歳)

A.結婚はあくまでスタートライン!結婚によって失う機会のことも考えて

時間・金銭ともにサンクコストバイアスに陥っているかも。結婚はゴールではなくあくまでスタート地点。そこから先の人生で彼と一緒にいて得られる機会と、別れることで得られる機会を天秤にかけて考えてみましょう。

 

【お悩み3】

パイロットの彼と国際遠距離恋愛を続けていました。なかなか会えずに数年が経ち、関係は平行線のままでしたが、彼が日本に帰国することを辛抱強く待っていました。しかし、彼が帰国しひさびさに会ったときに、あまりに冷たい対応をされ、怒りと悔しい気持ちでいっぱいに。ですが、数年間彼を思っていた時間を引きずってしまい別れを決断できずにいます…。(Nさん26歳)

A.「付き合っている」こと自体に価値を置きすぎていたら要注意です!

人は利益を得るときよりも、損失をするときの方が心理的に痛みを感じる傾向にあります。交際関係もそのひとつ。別れを決断する時は非常にストレスが伴いますが、サンクコストバイアスに悩まされることはなくなるはず。

 

【お悩み4】

長年付き合っていた彼と同棲を開始。同棲前は結婚の話や将来の話をする仲だったのに、だんだんと彼が仕事のストレスを私にぶつけるように。このままでは精神的に共倒れすると思い、好きだったけど彼のためにも自分のためにも別れを決意しました。(Iさん26歳)

A.ストレスのかかる選択も、後になればよかったと思える日が来ます

サンクコストバイアスにも陥らず、自分が時間と労力をかけたものでも、先のことを見据えてお別れできたことは素晴らしいことです。その決断によって、新たな機会をたくさん得られる、と前向きな考えに変換しましょう。

 

CLASSY.

〜仕事編〜

【お悩み1】

学生時代からやりたかったネイルの仕事。現在勤めている他業種の会社よりも給料・育休などの待遇面がよいところが見つかり、ESを送ったりもしていましたが、今まで職場で築いた人間関係やかけた時間がもったいなくて、転職を決断できません。(Kさん26歳)

A.築き上げた人間関係は転職で簡単に崩れません!

今の会社にとどまることにモヤモヤを感じているのであれば、とどまることによって失ってしまう機会について考えましょう。時間や人間関係に対して、サンクコストバイアスを感じているが、新しい環境でもそれらを築くことができるというマインドが大事です。

 

【お悩み2】

大手企業に勤めていて、待遇面や福利厚生はとても充実しています。でも本当はエンタメ系に勤めたいという気持ちがずっとあり、入社してからほぼ毎年転職のことを考えていました。〇年目で「この部署に配属されなかったら転職します」と人事に直談判。エンタメ系の内定をもらっていましたが、異動が叶ったこともあり、今の会社にとどまるという決意をしました。(Sさん31歳)

A.現状にとどまると決めたなら、他の選択肢を考えないことも大事!

希望部署へ異動が決まったことで、とどまる決断をしたのなら、前向きに。〇年は新しい部署で頑張るとコミットし、機会を最大限に生かすのも大事です。

 

【お悩み3】

新卒から4年目でリーダー職に昇格できることになったのですが、その歳でのリーダー昇格は会社では前代未聞とのこと。同僚との温度差が生じて上手くいかないのでは?上司との関係性が崩れる?と考えてしまい、昇格を素直に受け入れることができません。(Nさん26歳)

A.人間は現状の環境を積極的に変えたがりません

これは、サンクコストバイアスにとらわれているとは言えないでしょう。ですが、人は現在の状況を変えたがらないという心理状況を表す「現状維持バイアス」に陥っていると言えます。昇格を受け入れたときと受け入れないときの得られるもの/失うものを書き出して論理的な判断を下せるとよいですね。

 

【お悩み4】

母と祖母がいる実家に住みながら看護師をしていました。仕事へのやりがいも見つけられずにいましたが、誰にも頼らない環境に身を置くことが大事だと思い、長野移住を決意。自分の環境を変えることで仕事への満足感や家族へのありがたさが見出せる日が来ると思っています。(Iさん26歳)

A.現状にとどまることで失う機会に目を向けられた好例!

これはサンクコストバイアスを認知して、それを乗り越えた好例と言えます。現状にとどまることによって失ってしまう機会に目を向け、新しい環境から昔の環境との新たな接点を見出せていると思います。

 

教えてくれたのは…行動経済学コンサルタント・相良奈美香さん

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日本で数少ない「行動経済学」博士号取得者。まだ行動経済学が一般的に広まる前から10年以上にわたり最前線で活躍する第一人者。著書に『行動経済学が最強の学問である』がある。

イラスト/kirinpicnic 取材/川上あまの 編集/大島滉平 再構成/Bravoworks,Inc.


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